こんばんは,
発達がゆっくりな娘をもつ,ゆっくりっ子ママです。
前回は,視覚機能とはどのようなものなのか?(1)を紹介しました。
では,今回は,視覚機能の3つのプロセスのなかの「入力」の眼球運動について焦点をあててみたいと思います。
文献によると,大きく3つの働きに分けることができるそうです。
1,追従性眼球運動:ものを眼で追う動き
動いているものや線の上,本に書かれた文字などを眼でなめらかに追いかける眼球運動のことを指します。
また,動いていないものをじっと見つめる動きも追従性眼球運動とのことです。
例えば,次のような時に追従性眼球運動が働いています。
- 歩いている人を眼で追う
- 飛んでいる飛行機を眼で追う
- 空の雲を眺める
- 書き順を眼で追う
- ものをじっと見つめる
余談ですが,下の弟は,飛んでいる飛行機を見つけることが得意で,飛行機が見えなくなるまでじっと見つめています。追従性眼球運動が働いているということですね。
2,跳躍性眼球運動:視線をジャンプさせる動き
1点から別の1点へ視線をすばやくジャンプさせる眼球運動のことを指します。
飛び石をポンポンと渡るように視線を移すイメージですね。
多くのものの中から必要な視覚情報を早く正確に見つけるために必要な働きとのことです。
例えば,次のような時に追従性眼球運動が働いています。
- 黒板とノートを交互に見る
- 人混みのなかから知人など探している人を見つける
- 本を読む際に,文字を眼で追い,次の行に視線を移す
3,両眼のチームワーク:両眼を寄せたり離したりする動き
見るものに合わせて左右の眼を動かして焦点をしぼる機能のことを指します。
近くのものを見る場合は,両眼を真ん中に寄せます(寄り眼)。
遠くのものを見る場合は,両眼を離します(離し眼)。
ここで,娘の眼の病気のついてお伝えしますね。
娘には,デュアン症候群という眼の病気があります。
デュアン症候群とは,外直筋(眼球を外側に向けるための筋肉)の異常な神経支配生じる先天性の眼球運動障害とのことです。
外転神経核(外直筋を動かす神経核)の形成不全により、外直筋が動眼神経の支配を受けることで生じる疾患のようです。
娘の場合は,左眼がデュアン症候群のため,左方向に顔が少し向いているというフェースターンが見られます。
先天性の疾患であり,積極的な治療はなく,娘の場合は,弱視のため眼鏡装用にて経過観察中となっています。
娘は,本を読むときに,文字や行を読み飛ばしたりすることがあります。また,どこを読んでいるのか分からなくなることもあります。
少なからず,先天性のデュアン症候群の影響もあるのではないかと思います
やはり追従性眼球運動,跳躍性眼球運動,両眼のチームワークの働きが弱いといえるのではないでしょうか。
以上,眼球運動の3つの働きについて紹介しました。
<参考文献>
北出勝也監修 『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなるビジョントレーニング』 株式会社ナツメ社,2015年,p22,23