こんばんは,
発達がゆっくりな娘をもつ,ゆっくりっ子ママです。
前々回は,視覚機能とはどのようなものなのか?(1)を紹介しました。
前回は,視覚機能とはどのようなものなのか?(2)でした。
では,今回はその第3弾として,情報処理に必要な「視空間認知」について焦点をあててみたいと思います。
「視空間認知」とは,眼から入った情報を処理して,それが何であるか見たものの全体像を把握する脳の働きのことです。
そして,視空間認知は,眼と体のチームワークや記憶力にも関係している重要な機能であるそうです。
文献では,大きく4つの働きに分けられていました。
1,図と地を区別する働き
ものを見るとき,対象物(図)と背景(地)を区別する働きのことを指すそうです。
眼に入るもののなかから,自分のほしい視覚情報だけを得るために必要な働きとのことです。
例えば,本屋さんや図書館で,自分の読みたい本を探す時に働いています。
ここでいう対象物(図)は,自分の読みたい本,背景(地)が陳列されているその他のたくさんの本というわけですね。
また,教科書のなかから特定の単語を探し出したりすることができるのもこの働きとのこと。
この場合は,対象物(図)は,特定の単語である「小さい」という漢字,背景(地)がその他の印刷されている文字というわけですね。
この働きが弱い場合は,
- 本屋さんや図書館で自分の読みたい本など特定の本を探すのが苦手
- よくものをなくす
- よく道に迷う
などが見られるそうです。
2,形や色を把握する働き
眼から入った情報をもとに,その形の輪郭や色を認識する働きのことを指します。
この働きによって同じ形(色)のもの,違う形(色)のものを区別できるようになるとのことです。
この働きが弱い場合は,
- 図形の問題が苦手である
- ぬりえやおえかきが苦手である
などが見られるそうです。
3,仲間を見分ける働き
こちらの働きも形を見分ける働きの1つとのこと。
ものの大きさや色,位置に左右されずに,同じ形を「同じである」と認識する働きを指すそうです。
この働きが弱い場合は,
- ひらがなや漢字の文字の形をなかなか覚えることができない
- 人の顔を覚えるのが苦手である
などが見られるそうです。
4,空間的な位置を把握する働き
眼で見たものを立体的に把握し,自分との距離や大きさ,左右・上下,高低などを認知する働きのことを指すそうです。
ものをよけて歩いたり,ものをつかんだりするために必要な働きとのこと。
この働きが弱い場合は,
- よく人やものにぶつかる
- 球技が苦手である
- 着替えに時間がかかってしまう
などが見られるそうです。
私がパパの転勤で数年前に大阪に住んでいたときの経験を思い出しました。
大阪に来た当初は,梅田や難波の地下街を通る度にすれ違う人によくぶつかっていました。
どのくらいの距離感があるのか,どのくらいの速度で歩いているのか,どこを歩けばぶつからないのか,把握するのが本当に難しくて(^_^;)
しばらくしてすれ違う人にぶつかることもほとんどなくなったのですが。
私は,視空間認知というと,空間的な位置を把握する働きしか思い浮かびませんでした。
しかし,視空間認知には主に4つの働きがあることがわかりました。
娘の状態に当てはめてみると,よく道に迷う,図形の問題が苦手である,文字の形がなかなか覚えることができない,球技が苦手であるなどが該当する項目だと思います。
よって,娘は,視空間認知の働きも弱めであるといえるのではないでしょうか。
以上,視空間認知の4つの働きについて紹介しました。
<参考文献>
北出勝也監修 『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなるビジョントレーニング』 株式会社ナツメ社,2015年,p24,25